ケアとビジネスは両立できる ― 医療・介護・障害者福祉の経営を支える視点
ケアに救われた経験が、私の原点です
子どもの頃、私は重い小児ぜんそくで入院しました。大発作でチアノーゼ寸前になり、強い薬を使ってやっと発作を抑えたこともあります。私はケアに命を救われた人間です。
大学時代は、診療所や病院で宿直のアルバイトをしていました。阪神・淡路大震災に遭ったのもアルバイト中です。その後、東灘区の連携病院へボランティアに行き、医療現場の底力を目の前で見ました。
社会に出てからは、開業医団体で開業医の先生方のサポートに尽力しました。医療法人では、診療所と介護事業所の運営に携わりました。
ケアを受ける側、支える側、経営する側。この3つの立場を経験したことが、いまの仕事の原点です。
「ケアビジネス」とは何か
医療・介護・障害者福祉は、制度も根拠となる法律も違います。それでも共通点があります。どれも、サービスの価値を人によるケア、つまり「ケア労働」が生み出していることです。私はこうした事業を、まとめて「ケアビジネス」と呼んでいます。
ケアビジネスには、ほかの業界にない特徴があります。料金を自分で決められないことです。報酬は国が決める公定価格で、制度も数年ごとに変わります。しかも、その報酬にはケア労働の専門性が正当に反映されていない、というのが私の見立てです。だからこそ、経営の工夫が欠かせません。
ケアの理想だけでは、事業は続きません。逆に利益だけを追えば、職員が辞め、利用者が離れていきます。ケアの精神と経済原理の両立。これがケアビジネス経営の一番の難しさであり、一番のやりがいでもあります。
ケアビジネスの経営者が抱える4つの悩み
医療・介護の経営者からよく聞く悩みは、次の4つです。
①人が採れない、辞める
②賃上げの原資も制度に頼るしかない
➂加算や評価料をとっても、配って終わりになっている
④事業所が増えるほど、経営者の思いが現場に届かない
背景には、小規模な事業者が多いことがあります。さらに、経営者自身がケアの専門家であっても経営の専門家ではない場合が多く、経営に割ける時間や人手が限られています。
賃上げの原資は「制度」から来る
公定価格の業界では、職員の賃上げの原資は国の制度から来ます。
介護・障害者福祉:処遇改善加算
医療:ベースアップ評価料
ベースアップ評価料は、令和8年度の診療報酬改定で対象職種が広がるなどの見直しが行われました。対象が広がるほど、「誰に、どんな基準で、いくら配分するのか」を説明できる賃金制度が必要になります。
ところが現場では、加算や評価料を一律に配って終わりにしている例が少なくありません。それでは職員の定着にはつながりにくいのです。
大切なのは、制度で得たお金を職階・賃金テーブル・評価と育成の仕組みに落とし込み、「頑張れば上がる」道筋を職員に見えるようにすることです。これが、人が辞めない職場づくりの土台になります。
ケアビジネス支援の3つの柱
私は次の3つの柱で、ケアビジネスの経営を支援しています。
1. 人事制度 ― 賃上げの原資を、評価制度で有効に配分する
処遇改善加算やベースアップ評価料の配分を、評価制度と結びつけて設計します。これまで複数の介護事業所で、処遇改善加算の配分設計に関わってきました。
2. 組織づくり ― 経営の思いを現場に届ける
経営理念を浸透させ、職種や部署の垣根を越えるためのワークショップを実施します。医師・看護師・事務など、職種の違いが溝になりやすい医療機関でも効果を発揮します。
3. 経営の数字 ― 数字で経営を見える化する
医療機関、訪問看護、デイサービス、生活介護、就労支援、グループホーム、調剤薬局など、多くのケアビジネスで経営診断を行ってきました。事業計画、財務分析、補助金の見極めを通じて、経営の判断を支えます。
私が大切にしていること
①経営・制度・ケアの心をセットで理解すること。
医療と介護の両方の報酬制度を理解しているので、診療所と介護事業所をあわせて運営する医療法人も、まとめて支援できます。
②現場を知っていること。
医療法人で実際に運営を担った経験から、制度や数字の話を、現場で回る形に落とし込みます。
➂経営全体を設計すること。
中小企業診断士として経営全体を、特定社会保険労務士として人事・労務を見ています。両方の視点で、制度づくりから運用まで一貫して支援します。
こんなお悩みはありませんか
処遇改善加算の上位区分を取りたい
加算や評価料を、職員の定着につなげたい
職種間の溝があり、スタッフがまとまらない
事業所が増えて、経営の全体像が見えにくくなった
ケアに救われた私が、いまはケアを支える側にいます。ケアとビジネスの両立を目指す経営者の方は、お気軽にご相談ください。


